
「また、落ちた」
結果通知を見たとき、頭が真っ白になったあの感覚、きっとあなたにも覚えがあるかもしれませんね。
筆記は通った。
一次面接も乗り越えた。
あと一歩だったはずなのに、最終面接でまた不合格。
しかも、それが1回や2回じゃなくて、3回も続いたら、どんな気持ちになるでしょうか。
「自分は教師に向いていないんじゃないか」
「年齢的にもう限界なのかもしれない」
「このまま続けていて意味があるのだろうか」
そんな思いが、夜中にふと浮かんできて眠れなくなる。
わかりますよね、その苦しさ。
この記事では、教員採用試験の最終面接で3回不合格になりながらも、それでも教壇に立ち続けている私の話をお伝えします。
元教務部長として現場を見てきた視点も交えながら、「なぜ続けられるのか」「どうすれば道は開けるのか」を、きれいごと抜きで正直にお話ししますね。
読み終わったとき、きっと「まだ終わりじゃない」と思えるはずです。
結論:3回落ちても教師を続けている理由は「子どもたちが教えてくれたから」

最初に結論からお伝えしますね。
私が3回最終面接に落ちても教師を続けている理由、それは「正規採用されなくても、子どもたちの前に立てる場所があったから」なんです。
そして、その場所で出会った子どもたちが、「やめたくない」という気持ちを育ててくれました。
もちろん、制度的な話もあります。
臨時的任用教員や非常勤講師という働き方があるおかげで、採用試験に落ちても教壇に立ち続けることができる。
これは事実です。
でも、制度があるからといって、誰でも続けられるわけじゃないですよね。
心が折れそうになることは何度もありました。
それでも続けられたのは、「この子たちのために」という思いが、いつの間にか自分の中で育っていたからなんです。
これが、私が教師を続けている一番の理由です。
なぜ最終面接で3回も落ちたのか?元教務部長視点で振り返る

教員採用試験の現実:人物評価重視の流れがさらに強まっている
まず、教員採用試験がどれだけ厳しいものか、最新の傾向も含めて確認してみましょう。
文部科学省の調査によると、公立学校教員採用選考試験の倍率は令和元年度で平均4.2倍とされています。
単純計算で、5人に1人弱しか受からない試験なんですね。
しかも近年は、筆記試験よりも面接や模擬授業を重視する自治体が増えているとも言われています。
個人面接・集団討論・模擬授業などを通じた人物評価にウェイトが置かれ、「対話力」「チームで働けるか」「子ども観」「教育観」が詳しく見られる傾向が強まっているんです。
つまり、暗記で乗り切れる時代はとっくに終わっていて、「人物面」がより強く問われるようになっている。
最終面接で落ちるケースが増えているのも、こうした背景があるのかもしれませんね。
私が落ちた理由①:模範解答を暗記していた
恥ずかしい話ですが、1回目の最終面接で私がやっていたことは、「模範解答の暗記」でした。
面接対策本を何冊も読み込んで、「こう聞かれたらこう答える」というパターンを頭に叩き込んだんです。
完璧だと思っていました。
でも、今振り返ると、面接官からすれば「この人、台本を読んでるな」とバレバレだったんだろうなと思います。
教採対策の専門家の方々も指摘しているように、暗記した模範解答をそのまま読み上げている人は、「熱意が本物ではない」と判断されやすいんですね。
私の場合、まさにそれでした。
私が落ちた理由②:子どもの姿が具体的に見えていなかった
2回目の最終面接では、少し改善したつもりでした。
模範解答を暗記するのではなく、自分の経験を交えて話そうとしたんです。
でも、後から気づいたのは、私が話す「子ども」が、どこか抽象的だったということ。
「子どもたちのために頑張りたいです」
「一人ひとりに寄り添った指導をしたいです」
こういう言葉は言っていたんですが、面接官から「具体的にどんな場面で?」と聞かれると、うまく答えられなかったんですよね。
元面接官の方の記事にも書いてありましたが、場面指導で「子ども」や「保護者」が具体的に見えていない人は、評価が下がりやすいそうです。
まさに私のことでした。
私が落ちた理由③:一貫性がなかった
3回目の最終面接で一番堪えたのは、「あなたの回答に一貫性がないですね」と言われたことでした。
自分では、いろんな質問に対して丁寧に答えているつもりだったんです。
でも、面接官から見ると、「志望動機」と「教育観」と「将来のビジョン」がバラバラに聞こえていたようなんですね。
これは本当にショックでした。
「自分のことなのに、自分で自分がわかっていない」という現実を突きつけられた気がしました。
面接官が見ているのは「この人と一緒に働きたいか」
教務部長として採用に関わる立場になってから、面接官側の視点も少しわかるようになりました。
面接官が見ているのは、「正解を言えるかどうか」じゃないんです。
「この人と一緒に働きたいか」「この人に子どもを任せたいか」という、もっと直感的な判断をしているんですね。
だから、どれだけ立派なことを言っても、「この人、本当にそう思ってるのかな?」と感じさせてしまったら、不合格になる。
逆に、言葉は拙くても、「この人は本気だな」と伝われば、合格する可能性がある。
私が3回落ちたのは、「本気」を伝える力が足りなかったからなんだと、今では思っています。
「能力がないから落ちた」とは限らない
ここで一つ、大事なことをお伝えしておきたいんです。
面接不合格の要因は、「知識・指導力の不足というより、語り方・伝え方の構造的な問題である」と指摘する専門家もいます。
つまり、「教師としての現場力」と「採用試験の面接で評価される力」は、必ずしもイコールではないんですね。
私自身、授業では子どもに分かりやすく話せるのに、大人(面接官)に対しては同じように話せていなかった。
子どもに対しては「伝える努力」をしていたのに、面接対策では「伝わるか」より「覚えた答えを言うこと」に必死になっていた。
この気づきは、3回落ちてようやく得られたものでした。
面接で落ちたからといって、「教師に向いていない」わけではない。
この視点を持てるかどうかで、不合格後の歩み方が大きく変わってくると思います。
それでも教師を続けられた3つの理由
理由①:臨時的任用教員として教壇に立てた
教員採用試験に落ちても、教師の道が完全に閉ざされるわけではありません。
臨時的任用教員や非常勤講師という働き方があるおかげで、正規採用されなくても子どもたちの前に立つことができるんですね。
実は、不合格者にとって最も一般的な進路が、この「臨任・非常勤として働きながら翌年の合格を目指す」というルートだとされています。
3回落ちても現場に立ち続けられたのは、この制度のおかげでした。
もちろん、正規採用と比べると待遇面での不安はあります。
でも、「子どもと関われる」という点では、正規も臨任も変わらないんですよね。
むしろ、臨任として様々な学校を経験できたことで、視野が広がった部分もあったと思います。
理由②:現場での経験が「やめられない理由」になった
正直に言うと、1回目の不合格通知をもらったときは、「もう諦めようかな」と思いました。
でも、臨時的任用教員として働き始めて、実際に子どもたちと過ごすうちに、気持ちが変わっていったんです。
算数がわからなくて泣いていた子が、「先生、わかった!」と笑顔になったとき。
不登校気味だった子が、少しずつ教室に来られるようになったとき。
卒業式で「先生のクラスで良かった」と言ってくれたとき。
そういう瞬間が、「やめたくない」という気持ちを育ててくれたんですね。
採用試験に受かるかどうかは、自分ではコントロールできません。
でも、目の前の子どもたちと真剣に向き合うことは、今日からでもできる。
そう思えるようになったのは、現場での経験があったからこそでした。
理由③:不合格の経験が「教師としての自分」を育ててくれた
これは意外かもしれませんが、3回不合格になった経験が、教師としての自分を成長させてくれたと感じています。
不合格になるたびに、「なぜ落ちたのか」を必死に考えました。
自分の面接での受け答えを振り返り、授業での失敗や成功を思い出し、「自分はどんな教師になりたいのか」を何度も言語化し直しました。
この「省察」のプロセスは、教師に不可欠な力なんですよね。
子どもの前に立てば、毎日のように「うまくいかなかったこと」に直面します。
そのたびに、「なぜうまくいかなかったのか」「次はどうすればいいのか」を考える力が必要になる。
採用試験で3回落ちて、その度に自分と向き合い続けた経験は、結果的に教師としての「振り返る力」を鍛えてくれたんだと思います。
具体例:3回の不合格から学んだこと
具体例①:「模範解答」から「自分の言葉」へ
1回目の不合格後、私が最初に取り組んだのは、「模範解答を捨てる」ことでした。
といっても、いきなり全部捨てるのは怖かったので、まずは「なぜその答えを選んだのか」を自分に問い直すことから始めました。
たとえば、「子どもの主体性を大切にしたい」という定番の回答。
これを言うとき、私は本当にそう思っているのか?
思っているなら、なぜそう思うようになったのか?
具体的にどんな場面で、その大切さを感じたのか?
こうやって掘り下げていくと、「借り物の言葉」と「自分の言葉」の違いが少しずつわかるようになってきました。
面接で大切なのは、「正解を言うこと」ではなく、「自分の経験から出てきた言葉で語ること」なんだと気づいたのは、この頃でした。
具体例②:「抽象的な子ども」から「具体的な子ども」へ
2回目の不合格後は、「子どもの姿を具体的に語る練習」をしました。
臨時的任用教員として働いていると、毎日いろんな子どもたちと出会います。
その一人ひとりの顔を思い浮かべながら、ノートに書き出していったんです。
- Aくん:算数の文章題が苦手。「読めるけど、何を聞かれてるかわからない」と言っていた
- Bさん:友達とのトラブルが多い。でも、本当は「仲良くしたい」と思っている
- Cくん:発表が苦手。でも、ノートには素晴らしい考えが書いてある
こうやって具体的な子どもの姿を言語化しておくと、面接で「どんな子どもを想定していますか?」と聞かれたときに、リアルに答えられるようになりました。
抽象的な「子ども」ではなく、目の前の「この子」を語れるかどうか。
それが面接官に「この人は本当に現場を見ている」と思ってもらえるかどうかの分かれ目なのかもしれませんね。
具体例③:「バラバラの回答」から「一貫したストーリー」へ
3回目の不合格後、一番時間をかけたのは、「自分の教育観を一本の線でつなげる」という作業でした。
志望動機、教育観、将来のビジョン。
これらがバラバラだと、面接官には「この人、何がしたいのかわからない」と思われてしまいます。
逆に、すべてが一本の線でつながっていれば、どんな質問をされても、同じ軸から答えられる。
だから一貫性が出るんですね。
私の場合は、こんなふうに整理しました。
【原体験】
自分自身が学校で「わからない」と言えなくて苦しんだ経験がある。
【教育観】
だから、「わからない」と言える教室をつくりたい。
失敗しても大丈夫、と思える空間をつくりたい。
【志望動機】
その思いを、○○市の子どもたちのために実現したい。
○○市の教育方針である「一人ひとりを大切にする」という考えに共感している。
【将来のビジョン】
まずは担任として、「わからない」と言える学級をつくる。
その経験を積み重ねて、いずれは学校全体の雰囲気づくりにも貢献したい。
このように整理することで、どの角度から質問されても、同じ軸で答えられるようになりました。
「話がうまい人」が受かるわけではない
面接対策をしていると、「自分は話すのが苦手だから不利だ」と思ってしまうことがありますよね。
でも、面接指導の専門家はこう言っています。
「合格するのは話がうまい人ではなく、相手の立場に立って誠実に伝えようとし続けた人」だと。
これは私自身の経験からも、強く感じています。
1回目、2回目の面接では、「うまく話そう」「完璧に答えよう」と力んでいました。
でも、それが逆効果だったんですよね。
面接官が見ているのは、「流暢に話せるかどうか」ではなく、「この人は本当にそう思っているのか」「誠実に向き合っているか」という部分なんです。
言葉が多少つっかえても、「なぜそう思うのか」を自分の言葉で、一生懸命伝えようとしている人の方が、評価されやすい。
逆に、スラスラ話せても、どこか他人事のように聞こえる人は、評価が下がりやすい。
この視点を持てると、「何度落ちても改善を重ねる姿勢」こそが大切なんだと思えるようになりました。
社会人経験者・年齢が高い方へ伝えたいこと
年齢は「不利」ではなく「武器」になる
もしあなたが社会人経験者で、年齢的な不安を抱えているなら、一つだけ伝えたいことがあります。
年齢は、使い方次第で「武器」になるということです。
教務部長として採用に関わっていたとき、社会人経験者の方が持っている強みを感じる場面がたくさんありました。
- 社会の厳しさを知っているからこそ、子どもに伝えられることがある
- 様々な人と関わってきた経験があるからこそ、保護者対応に強い
- 「なぜ教師になりたいのか」の動機が、より深く明確になっている
新卒の方にはない「人生経験」は、間違いなく価値があるんですね。
大切なのは、その経験を「教師としてどう活かすか」を具体的に語れるかどうかです。
「遠回り」は「無駄」ではない
私自身、3回最終面接に落ちて、何年も臨時的任用教員として働いてきました。
周りからは「遠回りだね」と言われることもありました。
でも、今思うのは、その「遠回り」が無駄だったとは思えないということです。
様々な学校で働いた経験。
いろんなタイプの子どもたちと出会えた経験。
何度も不合格になって、その度に自分と向き合い続けた経験。
これらすべてが、今の自分をつくっているんですよね。
もし新卒でストレートに合格していたら、今の私はいなかったと思います。
きっと、もっと浅い教師になっていたんじゃないかな、と。
まとめ:3回落ちても、道は続いている
最後に、この記事でお伝えしたかったことを整理しますね。
【結論】
教員採用試験で3回最終面接に落ちた私が、それでも教師を続けている理由は、「正規採用されなくても教壇に立てる場所があったから」、そして「その場所で出会った子どもたちが、やめたくないという気持ちを育ててくれたから」です。
【3回落ちた理由】
- 模範解答を暗記して、「借り物の言葉」で話していた
- 「子ども」の姿が抽象的で、具体的に見えていなかった
- 志望動機・教育観・将来ビジョンに一貫性がなかった
【続けられた理由】
- 臨時的任用教員・非常勤講師として教壇に立ち続けられた
- 現場での経験が「やめられない理由」を育ててくれた
- 不合格の経験が、教師としての「振り返る力」を鍛えてくれた
【学んだこと】
- 「模範解答」ではなく「自分の言葉」で語ることが大切
- 「抽象的な子ども」ではなく「具体的な子ども」を語れるようになること
- 志望動機・教育観・将来ビジョンを「一本の線」でつなげること
- 「話がうまいか」より「誠実に伝えようとする姿勢」が評価される
教員採用試験の倍率は4.2倍。
5人に1人弱しか受からない試験で、複数回落ちることは決して珍しくありません。
3回落ちたからといって、「教師に向いていない」ということにはならないんです。
あなたへ:まだ終わりじゃない
もしあなたが、最終面接で不合格になって落ち込んでいるなら。
もし、「また落ちた。もう無理かもしれない」と思っているなら。
一つだけ、覚えておいてほしいことがあります。
採用試験に落ちても、子どもたちの前に立つ道は、まだあるんです。
臨時的任用教員として働きながら再挑戦することは、統計的にも「最も一般的なルート」です。
あなただけが特別に遠回りしているわけじゃないんですね。
そして、その「遠回り」の中で得られる経験は、きっと無駄にはなりません。
目の前の子どもたちと真剣に向き合った日々は、次の面接で語れる「自分だけのストーリー」になります。
私自身、3回最終面接に落ちて、何度も心が折れそうになりました。
「年齢的にもう限界かもしれない」と思ったこともあります。
でも、続けてきてよかった。
子どもたちと過ごす毎日があったから、続けてこられた。
今では、そう思えています。
あなたの道も、まだ続いています。
どうか、諦めないでくださいね。
この記事が、少しでもあなたの力になれたら嬉しいです。
次回は、「最終面接で落ちる人の共通点と、合格者がやっている準備」について、さらに詳しくお伝えしていきますね。
具体的な対策を知りたい方は、ぜひそちらも読んでみてください。