
教員採用試験を受験しようと考えている方や、何度かチャレンジしているけれどなかなか結果が出ない方にとって、「面接官は一体何を見ているんだろう?」「どんな人が採用されて、どんな人が落とされるんだろう?」という疑問は、きっと常に頭の片隅にあるものですよね。
実は、教員採用試験の面接官を務める校長や教頭、教務部長といった管理職経験者の方々には、「採用したい教師像」と「採用したくない教師像」がはっきりとあるんです。
この記事では、元教務部長の視点と公的な採用基準を照らし合わせながら、合格に近づくための具体的なポイントをお伝えしていきます。
面接対策に悩んでいる方も、これから教員を目指そうとしている方も、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
結論:「子ども第一」の姿勢と「組織で働く意識」が採用の分かれ目

最初に結論からお伝えしますね。
元教務部長や面接官が「採用したい」と感じる教師と、「採用したくない」と感じる教師の最も大きな違いは、「子どもを第一に考える姿勢があるかどうか」と、「学校という組織の一員として働く意識があるかどうか」の2点に集約されるんです。
教員採用試験は、単に知識やスキルを測るだけの試験ではありませんよね。
文部科学省も「人物重視の多面的な採用選考」を基本方針として掲げており、筆記試験よりも面接や模擬授業の比重が高まっているとされています。
つまり、あなたがどんな人間で、どんな教師になろうとしているのか——これが合否を大きく左右するということなんですね。
では、具体的にどのような点が評価されるのか、詳しく見ていきましょう。
教員採用試験の現状を知っておこう

倍率と受験環境の変化
教員採用試験を受けるにあたって、まずは現状を把握しておくことが大切ですよね。
文部科学省の調査によると、公立学校教員採用選考試験の全国平均倍率は、令和元年度で約4.2倍でした。
一方で、小学校教員の倍率は令和2年度で全国平均2.7倍と過去最低を記録しており、人材確保が課題となっているんです。
このような状況を受けて、多くの自治体では以下のような取り組みを進めています。
- 受験年齢制限の緩和(多くの自治体で40歳前後まで受験可能)
- 社会人経験者・他業種からの転職者を対象とした特別選考
- 教員免許をまだ持たない社会人を特別支援学校教諭候補として受験させ、採用後に免許取得を求める制度
たとえば茨城県では、民間企業等で36か月以上勤務経験がある方に対して、教員免許を持っていなくても特別支援学校教諭の受験を認める制度を導入しています。
教師になるチャンスは、以前よりも確実に広がっているんですね。
試験の構成と重視されるポイント
教員採用試験は、一般的に以下のような構成で行われています。
- 筆記試験(専門教科・教職教養など)
- 面接試験(個人面接・集団面接)
- 模擬授業・場面指導
- 実技試験(音楽・体育など必要な教科の場合)
近年の傾向として特に注目すべきなのは、筆記試験よりも面接や模擬授業の比重が高まっているという点です。
これは、「教師として現場でどう振る舞えるか」「子どもたちとどう関わるか」という人物面を重視する方向に、採用選考全体がシフトしていることを意味しています。
だからこそ、元教務部長や校長が語る「採用したい教師像」を理解することが、合格への近道になるんですよね。
面接官が重視する4つの評価ポイント
それでは、実際に面接官はどのような点を見ているのでしょうか。
公表されている自治体の「評価の観点」や文科省の資料をもとに、共通して重視されているポイントを整理してみました。
ポイント1:教育観と児童生徒理解
まず最も重要視されるのが、子どもに対する基本的な姿勢です。
面接官は、以下のような点をチェックしています。
- 子どもを尊重し、一人ひとりの違いを理解しようとする姿勢があるか
- いじめ、不登校、特別支援教育、性暴力防止など、今日的な課題への理解と対応方針を持っているか
- 生徒指導や保護者対応の場面で、冷静さと公正さを保てるか
「子どもが好きです」という言葉だけでは不十分なんですね。
具体的な場面でどう行動するか、どう考えるかが問われるんです。
場面指導やロールプレイでは、この点が特に評価されますので、しっかり準備しておきたいところですよね。
ポイント2:コミュニケーション力と協働性
学校は「チーム」で運営されています。
一人で完璧な授業ができても、同僚と協力できなければ、学校現場ではうまくいかないことが多いんです。
面接官が見ているのは、以下のような点です。
- 子どもへのわかりやすい説明・声かけができるか
- 対話的な授業ができるか(模擬授業で評価)
- 同僚や保護者、地域との連携ができるか
- チーム学校の一員として協働できるか
- 傾聴姿勢、表情、態度など「一緒に働きたい」と思える対人スキル
特に大切なのは、「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえるかどうかという点です。
面接官である校長や教頭は、実際に自分の学校に配属されることを想定しながらあなたを見ています。
そう考えると、面接での立ち振る舞いがいかに大切か、わかりますよね。
ポイント3:教育的専門性と学び続ける姿勢
もちろん、教師としての専門性も重要な評価ポイントです。
- 教科内容・指導法に関する基礎的な専門性
- 学習指導要領、学校教育法など基本的な法令・制度への理解
- 新しい教育施策(ICT活用、主体的・対話的で深い学びなど)についての知識
- 学び続ける意欲があるか
ここで大切なのは、「今の知識量」だけでなく、「これからも学び続ける姿勢があるか」が見られているということです。
教育を取り巻く環境は日々変化していますから、現状に満足せず成長し続けようとする姿勢が求められているんですね。
ポイント4:服務規律とコンプライアンス意識
近年、特に重視されるようになっているのが、この点です。
教員の不祥事がニュースになることも少なくありませんし、こども性暴力防止法の施行に伴い、採用段階からコンプライアンス意識が厳しくチェックされるようになっています。
面接官が確認しているのは、以下のような点です。
- SNSの扱いについての認識
- ハラスメント防止への理解
- 児童生徒との適切な距離感
- 遅刻・欠勤など勤務態度への意識
- 言葉遣い、身だしなみの適切さ
茨城県では、特定性犯罪事実に該当しないことを採用条件に明記するなど、コンプライアンスを採用の前提条件とする動きが広がっています。
「当たり前のことを当たり前にできる」ということが、実はとても大切なんですね。
「採用したい教師」の5つの特徴
ここからは、元教務部長や面接官が「この人を採用したい」と感じる教師の特徴を、より具体的にお伝えしていきますね。
特徴1:「子ども第一」の視点が行動に表れている
採用したい教師の第一の特徴は、子どもの安全・安心を最優先に考え、それが言動に一貫して表れていることです。
面接や模擬授業の中で、以下のような姿勢が見える人は高く評価されます。
- 子どもの話を最後まで聞こうとする姿勢
- 特別なニーズのある児童生徒への配慮が自然にできる
- 子どもの成長を心から喜べる
- 困っている子どもに気づき、声をかけようとする
これは口で言うのは簡単ですが、実際の場面指導や模擬授業で自然に表現できるかどうかが問われます。
日頃から子どもと関わる機会を持ち、実体験を通じて「子ども第一」の感覚を身につけておくことが大切ですね。
特徴2:協調性とチームワークが高い
学校は一人で動く場所ではありません。
学年団、分掌、委員会など、複数の教員で協力して進める仕事がたくさんあります。
採用したい教師は、以下のような特徴を持っています。
- 「自分のクラスだけ」ではなく、「学校全体」を見て動ける
- 他の教員の意見に耳を傾け、建設的な議論ができる
- 報告・連絡・相談を適切に行える
- 困っている同僚に声をかけ、助け合える
面接で「あなたの強みは何ですか?」と聞かれたときに、個人の能力だけをアピールするのではなく、「チームの中でどう貢献できるか」という視点で答えられると、評価が高まりますよ。
特徴3:自己評価・振り返りができ、成長意欲がある
完璧な人はいません。
大切なのは、自分の課題を認識し、改善しようとする姿勢があるかどうかなんです。
採用したい教師は、以下のような姿勢を持っています。
- 模擬授業や面接でのフィードバックを素直に受け止められる
- 改善案を自分で考え、次に活かそうとする
- 法令や教育施策の変化にも学び続けようとする
- 失敗を恐れず、チャレンジする意欲がある
面接で「あなたの弱点は何ですか?」と聞かれることがありますよね。
このとき、弱点を認めたうえで、どう改善しようとしているかを具体的に語れる人は、とても好印象を与えます。
特徴4:服務規律を守り、信頼される態度・言動がある
教師は子どもたちの模範となる存在です。
保護者や地域の方々からも見られていますし、その信頼に応えられる人物であることが求められます。
採用したい教師は、以下のような特徴を持っています。
- 遅刻・欠勤など勤務態度が安定している
- 言葉遣いが丁寧で、TPOをわきまえている
- 身だしなみが適切で、清潔感がある
- 約束を守り、責任感がある
面接の場では、こうした点が自然と表れるものです。
面接当日だけ気をつければいいというものではなく、普段からの習慣が大切ですね。
特徴5:危機対応・説明責任を意識している
学校現場では、予期せぬ出来事が起こることがあります。
いじめ、事故、不祥事など、万一の際にどう動くべきか、基本的な理解があることが求められます。
採用したい教師は、以下のような意識を持っています。
- 問題が起きたときに隠さず、適切に報告できる
- 保護者への説明責任を意識している
- 「もし自分が校長・教頭だったら」という視点で考えられる
- 予防的な取り組みの重要性を理解している
この「管理職の視点を持つ」ということは、実はとても重要なポイントなんです。
面接官は管理職ですから、自分の立場を理解してくれる人、学校運営に協力してくれる人を採用したいと思うのは自然なことですよね。
「採用したくない教師」の4つの特徴
続いて、面接官が「この人は採用したくない」と感じる教師の特徴についても見ていきましょう。
自分に当てはまるところがないか、チェックしてみてくださいね。
特徴1:子どもへのまなざしが弱い、または支配的
残念ながら、面接の中で以下のような傾向が見える方は、採用を敬遠されがちです。
- 指導場面で「怒る」「支配する」ことを強調しすぎる
- 子どもの意見を聞く姿勢が乏しい
- 対話より一方的な指導に偏っている
- 子どもを「管理する対象」としか見ていない
「厳しく指導することが大切だ」という考え方自体は間違いではありませんが、それが子どもの成長のためなのか、自分の都合のためなのかで、印象は大きく変わります。
子どもの立場に立って考えられているかどうかが、見られているんですね。
特徴2:協働より単独行動志向が強い
「自分のやり方」に強いこだわりを持つことは、悪いことではありません。
しかし、それが以下のような形で表れると、採用側に敬遠されてしまいます。
- 学校の方針やチームの合意より自己流を優先すると答える
- 管理職・同僚との連携や報連相を軽視する発言をする
- 「自分のクラスのことだけに集中したい」という姿勢が強い
- 他の教員のやり方を批判的に語る
面接で「あなたのやり方と学校の方針が合わない場合、どうしますか?」と聞かれることがありますよね。
このとき、「自分のやり方を貫きます」と答えてしまうと、協調性に欠けると判断される可能性が高いので注意が必要です。
特徴3:コンプライアンス意識が薄い
教員の不祥事は、学校全体の信頼を損なうことになります。
そのため、面接官はコンプライアンス意識を非常に重視しています。
以下のような回答をしてしまうと、採用を見送られる可能性が高まります。
- 教員の不祥事に関する質問に対して、軽い捉え方や曖昧な回答をする
- SNSや私的接触などのリスクについて、危機感が乏しい
- 「自分は大丈夫」という根拠のない自信を示す
- 規則やルールに対して否定的な態度を見せる
「なぜそれがいけないのか」を自分の言葉で説明できることが大切ですね。
特徴4:自己中心的なキャリア志向のみが強い
教師を志望する動機は人それぞれですが、面接でそれがどう表現されるかは重要です。
以下のような印象を与えてしまうと、採用を敬遠されます。
- 面接で「安定」「休暇」「給与」だけを強調する
- 教育への関心・使命感がほとんど語られない
- 配属希望について柔軟性がない
- 児童生徒のニーズより自分の条件を優先する姿勢が見える
もちろん、待遇や働き方について考えることは大切です。
しかし、面接の場では「子どものために何ができるか」を中心に語ることで、教育への熱意をアピールすることが重要なんですね。
面接対策の具体的なポイント
ここまで「採用したい教師」と「採用したくない教師」の違いをお伝えしてきましたが、では具体的にどのような対策をすればいいのでしょうか。
実践的なポイントをまとめてみました。
管理職の視点を持って準備する
面接対策で最も効果的なのは、「もし自分が校長・教頭・教務部長だったら、どんな教師を採用したいか」を考えてみることです。
学校運営の観点から、管理職が求める教師像を想像してみてください。
- 保護者からのクレームに適切に対応してくれる人
- 同僚と協力して学年運営をしてくれる人
- 問題が起きたときに隠さず報告してくれる人
- 新しい取り組みにも前向きに参加してくれる人
このような視点で自分自身を振り返り、面接での回答を準備すると、面接官の心に響く回答ができるようになりますよ。
具体的なエピソードを用意する
面接では、抽象的な言葉だけでなく、具体的なエピソードが求められます。
- 教育実習での経験
- ボランティア活動での子どもとの関わり
- アルバイトや前職での協働経験
- 困難を乗り越えた経験
これらを「状況→行動→結果→学び」の流れで整理しておくと、説得力のある回答ができますね。
場面指導・模擬授業の練習を重ねる
場面指導や模擬授業は、「子ども第一」の姿勢や「協調性」が最も表れやすい場面です。
練習のポイントは以下の通りです。
- 実際に声に出して練習する
- 誰かに見てもらってフィードバックをもらう
- 様々なパターンの場面を想定しておく
- 子どもの立場になって、自分の対応を振り返る
一人で準備するよりも、仲間と一緒に練習する方が効果的ですので、勉強会などに参加してみるのもおすすめです。
最新の教育動向をチェックする
面接では、最新の教育施策について聞かれることがあります。
チェックしておきたいトピックとしては、以下のようなものがあります。
- GIGAスクール構想とICT活用
- 主体的・対話的で深い学び
- 働き方改革と部活動の地域移行
- インクルーシブ教育と合理的配慮
- こども性暴力防止法
ただ知識として知っているだけでなく、「自分だったらどう実践するか」まで考えておくことが大切ですね。
まとめ:「採用したい教師」になるために
ここまで、元教務部長の視点から「採用したい教師」と「採用したくない教師」の違いについてお伝えしてきました。
改めて、ポイントを整理しておきましょう。
採用したい教師の特徴:
- 「子ども第一」の視点が行動に表れている
- 協調性とチームワークが高い
- 自己評価・振り返りができ、成長意欲がある
- 服務規律を守り、信頼される態度・言動がある
- 危機対応・説明責任を意識している
採用したくない教師の特徴:
- 子どもへのまなざしが弱い、または支配的
- 協働より単独行動志向が強い
- コンプライアンス意識が薄い
- 自己中心的なキャリア志向のみが強い
面接対策のポイント:
- 管理職の視点を持って準備する
- 具体的なエピソードを用意する
- 場面指導・模擬授業の練習を重ねる
- 最新の教育動向をチェックする
教員採用試験は、決して簡単な試験ではありません。
でも、面接官が何を見ているのかを理解し、しっかり準備をすれば、合格への道は必ず開けます。
あなたの教師としての第一歩を応援しています
教員採用試験に向けて頑張っているあなたは、きっと「子どもたちのために良い教師になりたい」という思いを持っているのではないでしょうか。
その思いこそが、「採用したい教師」の最も大切な資質なんです。
面接官は、あなたを落とすためにいるのではありません。
「この人と一緒に働きたい」「この人なら子どもたちを任せられる」と思える人を探しているんです。
だから、面接では緊張しすぎず、ありのままのあなたを見せてください。
子どもたちへの思い、教育への情熱、そして学校という組織の一員として頑張りたいという気持ち——それらを素直に伝えることが、きっと合格への近道になりますよ。
この記事が、あなたの教員採用試験対策の参考になれば嬉しいです。
あなたの夢が叶うことを、心から応援しています。
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